自然身体構造研究所 編

第163号:

がんばれ松坂大輔投手 日米のマウンドの大きな違い(土の質)

松坂大輔投手はフォームが定まらず、球威もコントロールもなかなか思うようになっていないようです。大きな原因はアメリカと日本のマウンドの硬さの違い。日本のマウンドは砂状で柔らかい土でできていますが、アメリカのマウンドは粘土状の硬い土です。アメリカのマウンドの硬さは松坂投手のレベルでも手投げの状態に陥らせてしまうのです。ではどうすればよいのでしょうか。



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がんばれ松坂大輔投手 日米のマウンドの大きな違い(土の質)

天才松坂大輔投手が苦しんでいます。フォームが定まらず、球威もコントロールもなかなか思うようになっていないようです。大きな原因はマウンドの硬さの違いにあるようです。日本のマウンドは砂状で柔らかい土でできています。アメリカのマウンドは粘土状の硬い土です。この土の硬さの違いはスパイクの接地面がすべりやすいかすべりにくいかの差になります。日本のマウンドはすべりやすくアメリカのマウンドはほとんどすべらない硬さの土なのです。

松坂投手はビールのCMで自身の投球フォームを披露しています。この時は日本で撮影されたと思うのですがリリース直前の動きが地面を数センチずれるようにキャッチャー方向にすべっていました。(写真1)

写真1 (写真1-クリックで見る事ができます。)

松坂投手は日本のマウンドではこの数センチずれる前足の動きで投球フォームを組み立てていたのです。ところがアメリカの硬いマウンドではこの前足の数センチのずれが起こりません。スパイクの歯が地面にしっかりかんでまったくずれません。ですからリリースのタイミングが変わってきます。松坂投手はスタンスをせまくしたり調整したりしたのですが、どうもしっくりこなかったようです。元のスタンスにもどして調整しています。勝利投手になった試合でも内容は実質KOだったりしています。コントロールも球威もまったくだめです。

前足の接地は「膝の送り」や「膝が割れないように」の教えがあるようにたいへん重要です。前足に体重移動のエネルギーが十分に乗らないと体が後方に残ってしまい、これを修正しようとして上半身の力に頼った手投げになってしまいます。(写真2)

写真2 (写真2-クリックで見る事ができます。)

アメリカのマウンドの硬さは松坂投手のレベルでも手投げの状態に陥らせてしまうのです。松坂投手は日本式のヒップファーストのフォームで比較的体勢の低い状態で前足を接地させます。(写真3)

写真3 (写真3-クリックで見る事ができます。)

並進運動のエネルギーを最大にしようとするたいへん美しいフォームです。ところがアメリカの硬いマウンドではこの理想的並進運動が仇になって前足に必要以上のブレーキのエネルギーを生じさせます。本人の感覚では前足のブレーキが強すぎて体重が乗らない感覚があると思います。このことによってグローブの腕側の左半身の回旋運動が阻害され右半身で補うような手投げの投球になっています。メジャーリーガーの一流のピッチャーたちは前足(フリーフット)をかなり高く上げます。(写真4)

写真4 (写真4-クリックで見る事ができます。)

そして前足を高い位置から足裏全体で接地するようなイメージです。ヒップファースト(日本式)が並進運動とするならばすり足、脚を高く上げる(メジャー式)は上下落下運動といえると思います。メジャーはこの前足の上下落下運動を回旋運動に変換して剛速球を投げているのです。日本式のヒップファーストは体の構造からいって大変合理的ですがメジャーのマウンドで適応するためには調整が必要なのです。メジャーでストッパーで活躍する斉藤隆投手の前足はガニマタで接地する方法で硬いマウンドでももともと適応できる動きです。(写真5)

写真5 (写真5-クリックで見る事ができます。)

日本の宝、松坂投手ははやく調整をしなければなりません。ピッチングは全身運動ですから一部を修正しても全体に影響しますのでたいへんといえばたいへんです。ですがやらなくてはなりません。いくつか方法が考えられますのでいくつかを紹介します。

一つ目は松坂投手はスタンスの幅が6足半と言っていましたが、これは変えずに左半身の回転効率を高めます。今の状態はスパイクがかみすぎるので体重が乗り切らないということです「膝の送り」といわれる動きが悪いのです。「膝の送り」は軸足から移動してきたエネルギーを一度前足で吸収して(膝の割れ)回旋運動に変えることです(フォロースルー)。松坂投手の場合スパイクがかみすぎて前足でエネルギーを吸収することがままなりません。これまで以上に自分の体で位置エネルギーを吸収するようにしなければなりません。それは足裏のアーチ、足首、膝関節、股関節、特に重要なのはグローブを持った腕側の脇腹です。(写真6)

写真6 (写真6-クリックで見る事ができます。)

いままで以上に意識的に行うことで前足のすべりの効果を補います。

次は大投手ロジャー・クレメンス投手を参考にします。クレメンス投手は日本式のようなきれいなフォームで投球します。軸足の膝が地面につくような美しいフォームです。アメリカの硬いマウンドに対応するために両方の脇腹のクッションを使っています。(写真7)

写真7 (写真7-クリックで見る事ができます。)

軸足一本で立った状態から投げる腕側の脇腹を縮めて前足が接地する時は上下に落下運動が起こるような動きをしています。リリースではグローブの腕側の脇が縮みます。まるで両脇がシーソーのような使い方をしています。

そしてもう一つはスパイクのメーカーに前足が硬いマウンドでも若干すべるようなスパイクの歯を開発してもらうことです。私は高校生の時、内野手をしていましたが新品の鉄製の歯ではかみ過ぎるので友人の使い古した磨り減った歯を買ったばかりのスパイクに装着して使っていました。守備の時に横滑りをしないと膝などを痛めてしまうことがあったからです。

いくつか考えてみましたがどなたか松坂投手とコンタクトをとれる方はこのことをお伝えいただきたいと思います。松坂投手は日本の宝ですから。


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(例:体の使い方について/トレーニンググッズについて)
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