自然身体構造研究所 編

第139号:号外

ジャイロボールの投げ方 正常な腕の振りを覚える(No.1、No.2)

松坂大輔投手の投げるボールがジャイロボールではないか。ということで日米のマスコミで話題になっています。今回はこのジャイロ回転について、簡単に経験できるXジャイロという遊具を用いて、そのメカニズムを解説してゆきます。



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ジャイロボールの投げ方 正常な腕の振りを覚える(No.1)

松坂大輔投手の投げるボールがジャイロボールではないかということで、日米のマスコミの話題になっています。ジャイロボールはアメリカンフットボールのクォーターバックが投げるボールのように進行方向にスパイラル回転をしながら投げられます。(写真1)

写真1 (写真1-クリックで見る事ができます。)

松坂大輔投手の場合はスパイラル回転がちょっと傾いているようで速い球速を保ちながら沈むようです。本人はカットボールかタテのスライダーのように認識しているようですが、スーパースローモーションの映像などで確認すると、やはりジャイロ回転をしています。メジャーリーグのヤンキースのリベラ投手のカットボールもジャイロ回転しているそうです。

カットボールは本来、カーブ系のボールですから落ちるようなボールです。カーブ系のボールには「抜くカーブ」と「切るカーブ」があり、「抜くカーブ」は大きく曲がってゆっくりのボールで、「切るカーブ」はカットボールのようにスピードがあって少し曲がってスピードが落ちないボールを言います。松坂大輔投手やリベラ投手の「切るカーブ」のカットボールは150km近いボールでジャイロ回転しているからバッターが打てないのです。では、ジャイロ回転を簡単に経験できるXジャイロという遊具でそのメカニズムを説明しようと思います。(写真2)

写真2 (写真2-クリックで見る事ができます。)

Xジャイロは航空力学に基づいた構造でジャイロ回転が強烈な推進力を生み、軽く投げただけで100m以上を投げることができます。NASAの検査を受けた最先端科学の遊具です。アメリカンフットボールもXジャイロも側面を擦るようにして進行方向にスパイラル回転を与えます。(写真3)

写真3 (写真3-クリックで見る事ができます。)

進行方向に真っ直ぐにスパイラル回転をしているので強烈な推進力で遠方へ投げられることになります。通常のボールも進行方向に向かって側面を擦るようにするとジャイロボールを投げることはできます。ですが、手首から先の手先の筋肉でジャイロ回転をかけようとすると大変問題があると思います。手先でジャイロ回転のボールを投げようと練習すれば故障してしまうことは必至です。腕の筋肉を正確に使う腕の振りは腕の内旋外旋を繰り返しながら動きます。トップで内旋している腕は首の付け根の胸鎖関節ラインから外旋をし、肘が前に出て、そこから内旋に反転しリリースを迎えます。(写真4)

写真4 (写真4-クリックで見る事ができます。)

ジャイロ回転のボールは通常のタテ回転のストレートボールよりリリースが手前で起こるようにしなければなりません。トップ(内旋)からリリースに向けて(外旋)のプロセスの時にジャイロ回転をかけます。(写真5) 

写真5 (写真5-クリックで見る事ができます。)

通常のストレートはトップ(内旋)からリリースに向けて(外旋)そして内旋のプロセスで指先が進行方向に真っ直ぐになった時にリリースします。(写真6)

写真6 (写真6-クリックで見る事ができます。)

要するに腕の内旋外旋ができていればジャイロ回転でもストレートボールでも使い分けができるわけです。当研究所の「Xジャイロで完璧な投げ方を身に付ける方法」は、Xジャイロを使って18種類のエクササイズを行い腕の正確な動きや下半身と連動した全身を使い切った投げ方を身に付ける教材です。

ジャイロボールの投げ方 正常な腕の振りを覚える(No.2)

力強いボールを投げる為には腕の内旋外旋の動きが大変重要です。(写真7)

写真7 (写真7-クリックで見る事ができます。)

今回はレッドソックスの松坂大輔投手やヤンキースのリベラ投手のカーブ系のカットボールがなぜあれだけのスピードでジャイロ回転して落ちるのかを説明しようと思います。前回Xジャイロで説明した推進力のある航空力学に基づいたジャイロ回転とカットボールのジャイロ回転は違うということです。(写真8) 

写真8 (写真8-クリックで見る事ができます。)

Xジャイロの回転はボールに推進力を与えるように投げます。重力に逆らうように伸びるように力を加えます。松坂大輔投手やリベラ投手のカットボールのジャイロボールはなるべくスピードを落とさず曲がりながら落ちるように投げます。力の与え方が体の使い方で違うわけです。松坂大輔投手やリベラ投手のカットボール系のジャイロ回転を理解するために「ボールを切る」という使い方を身に付けなければなりません。

私は以前、硬式テニスを習っていたのですが、インストラクターの先生に注意をされたことがあります。サーブを打つ時に私はラケットの面で、野球でいうカーブを投げるようなイメージでボールを打っていました。(写真9)

写真9 (写真9-クリックで見る事ができます。)

TV中継のプロテニスプレイヤーを見ていますと、サーブはカーブを投げるように腕をひねっているように見えたからです。「サーブはね、ボールの面を擦りあげるように腕は伸ばして打たなくちゃだめなんですよ。」(写真10)

写真10

(写真10-クリックで見る事ができます。)

私が見ていたサーブのイメージと全然違うイメージを教えてくれたのです。この教えのとおりにすると面白いようにサーブが決まりだしました。松坂大輔投手やリベラ投手のカットボールやジャイロボールはこのサーブと同じような使い方でボールを投げます。(写真11) 

写真11

(写真11-クリックで見る事ができます。)

この動きを野球では「切るリリース」と言います。そしてもう一つ松坂大輔投手とリベラ投手のカットボールがジャイロ回転する要素は、この「切るリリース」と「骨盤が立つ動きによるボールを押す力」が必要になります。(写真12)

写真12

(写真12-クリックで見る事ができます。)

切るリリースによるカーブ系の回転を骨盤の立つボールを押す力が加わり落ちようとするカットボールの回転に推進力が合成され、あのジャイロボールを生み出すのです。松坂大輔投手やリベラ投手のボールが魔球だと言われる由縁がこのようなところにあります。普通のピッチャーは切る腕の振りができてもボールを押す骨盤の動きができないのです。

まずは投げる腕の内旋外旋の正確な軌道を身に付けなければなりません。当研究所の「Xジャイロで完璧な投げ方を身に付ける方法」などでトレーニングをして下さい。骨盤が立つ動きは骨盤がスイングする動きと体幹部の柔軟性を身に付けなければなりません。この働きは腹部深層筋(腸腰筋)の働きです。(図1) 

図1 (図1-クリックで見る事ができます。)

前足と後足のそれぞれの腸腰筋が時間差で働き、骨盤の立つ動きを生み、腕の振りを後押しします。(写真13)

写真13

(写真13-クリックで見る事ができます。)

体の柔軟性、力を抜く力を入れるタイミング、全身の弾力性のある筋力などが必要ですが、これらの動きを総合的に身に付けるトレーニングが当研究所の「骨盤活性野球コーチングセット」です。骨盤や体幹中心部などを活性化し、球持ちがよく打たれにくいボールを投げるピッチャーを養成します。


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(例:体の使い方について/トレーニンググッズについて)
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