野球選手達の体の硬さについて(インナーマッスルストレッチ&体幹体操)
先日、雑誌「中学野球小僧」の企画で東京都田柄中学校野球部、小松川第一中学校野球部のみなさんにストレッチと野球のための体操の講習会をしてきました。そしてその次の週には慶應義塾湘南藤澤中等部野球部の森裕樹監督のおまねきをいただき講習会を行ってきました。(写真1)
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そこで感じた事は自分でおもっている以上に選手達の体が硬いということです。私が思う体の硬さとは実際のストレッチの時の硬さだけではなく日常の立ち居ふるまいをはじめ野球の動作においても硬い動きしかできないことです。しなやかさとはかけはなれた、まるでロボットのような動きのことをいいます。
大学野球でプロ野球のスカウトに注目されるような選手たちの中にさえも、ダンス的要素がある体操をやらせてみるとほとんどできない選手がいたりします。トップレベルの選手たちでさえ、このような硬さのレベルです。これは体の多くの関節が動かずに無理な状態で運動していることを表しています。こんなレベルの体でプロ野球選手になり、お客様からお金を取って野球をみせているのですから日本の野球は身体パフォーマンスとしてレベルが低いと言わざるをえません。野球をやったことがないダンサーたちを集めて野球の技術的動きを一から教えた方が強いチームができるのではないかと思うほどです。
社会の諸々の状況で子供たちはいろいろな遊び(いろいろな動き)を経験せずに成長してしまいます。しかもゆとり教育の影響で体育の時間も減っています。転んだときに腕で自分の体を守ることもできない子供たちが大変増えています。このような環境で監督やコーチのみなさまがいくら理想的野球の動きを教えてもなかなか身につかないのです。体作りの第一人者である森裕樹監督(中学校軟式野球・上達のための必須トレーニング集)も社会情勢による練習時間の短さや対応力のない選手達の体の動きに大変苦労されているということでした。
森監督は「小学生には野球の楽しさや、これからも続けていこうということを伝えればよいと思います。中学生には成長段階に合わせた体を使いきるような練習が必要になると思うんですね。ところが練習時間も短いですし体作りだけをやっているわけにもいきません。シーズンに入ればボールを持った練習ばかりになって体作りがおろそかになってしまうのが、難しいところなんですね」と今の状況を説明してくださいました。
体は600余の筋肉と200余の骨格で構成されています。多くの関節があり微細な動きから大きな力を発揮する動きまで、さまざまな動き方ができるのです。一流アスリート達は、これらを使いこなしていますが一般の選手たちは一部の関節しか動いていません。野球をやっている選手の多くが思うように上達しないのは、このことに気づかず無理な努力を繰り返しているのです。このことに気づかせるために中学生の段階で体を使いきるような動き方を身につけておかなければならないのです。中学校での練習時間などの制約を考えても帰宅後に体作りの練習を補わなければなりません。午後5時半か6時くらいに帰宅して夕食を食べて宿題や勉強をすませて、ストレッチや素振りなどをして、おふろに入って寝るような生活スタイルが良いのではないでしょうか。当研究所のおすすめする「インナーマッスルストレッチ&体幹体操」(写真2)
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や「大リーグボディ養成体操」(写真3)
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などは自宅に帰ってから一人で行えますので生活の中に組み込んでください。
ほとんど100パーセントといっていい位に多くの野球選手たちは体の関節が動かなさすぎます。(図1)
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俳優や女優、ダンサーのみなさんはストレッチを怠りません。感情や気持ちの表現、自由自在に動ける状態を保つためにストレッチなどで体を練り上げているのです。野球をはじめスポーツや武道を専門とするみなさんもストレッチをライフスタイルに組み入れてみてください。
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