「地下足袋」で練習するチームと「あしぴた」
地下足袋は建築関係の職人さんが高所で作業をする時に履くはきものです。特長は足底の素材が大変薄くなっていることです。これは高所で不安定な足場の上を動くときに足底の感覚がダイレクトに伝わってくるような構造になっているわけです。そうすると不安定な足場の上でも足底が危険をいちはやく察知するのだと思います。元々、昔の人々は下駄や草履など素足で生活する機会が多かったわけです。ですから昔の人々の方が足底の感覚が鋭かったのは間違いないと思います。
野球の練習の時地下足袋で練習するチームがあります。やはり野球のすべての動きにおいて足裏の感覚が大切なのです。例えばピッチャーが軸足一本で立つ時、バッターがタイミングをズラされた時の対応力など足底の感覚、機能が総動員されるのです。そうしたことがわかっているからこそ地下足袋で練習するチームが多いのだと思います。
最近の高性能なスポーツシューズ・スパイクはあまりにも足の機能を保護しすぎだと思います。元々足のリハビリ用に開発された経過があるからだと思います。例えば衝撃吸収力といわれる機能です。足が地面に接した時衝撃を靴のソールが吸収してくれるというものです。この機能はもともと足裏のアーチ機能がその役割をします。古代の人たちはもともと素足で生活をしていたわけですから地面の衝撃を吸収する機能は元々足のアーチ構造の働きなのです。地面の衝撃吸収をセールスポイントに一世を風靡したナイキ社のエアマックスは大変有名です。空気のクッションで地面の衝撃を吸収するものでマイケル・ジョーダン選手が使って有名になりました。
ところが、裏話なのですがジョーダン選手はこのように衝撃を吸収するソールを使わず硬いソールの靴を使っていたそうです。私はこのことがわかるような気がします。ソールが柔らかいクッションの靴はジャンプなどをするとき地面の力が直接には伝わりにくくなると思います。ジョーダン選手のように足の機能をフル稼働できる人にとっては、かえってクッション効果が邪魔になるのでしょう。今の高機能なシューズは足の機能を退化させる可能性さえあるかもしれません。その認識のあらわれが地下足袋など足底の薄いクッション性のないシューズで練習させる意図なのかなあと思います。
自然身体構造研究所でも素足でスイングしたり素足で運動したりすることをかねがねお勧めしてきています。そして今回は「あしぴた」という足底の機能アップに大変効果の高い商品をご紹介いたします。「あしぴた」は素足の状態で装着しその上に靴下をはきます。一歩一歩の歩く動作の時、足裏のアーチ構造を刺激します。それにより足裏のアーチ構造を強化し、足裏の感覚力をアップします。下駄や草履のように鼻緒のついた履物の原理を参考に開発してあります。
さきほど述べましたように素足や鼻緒のついた履物をはいていた時代の人の足の機能は大変高かったと思われます。またその時代には扁平足や外反母趾などの足の疾患は、ほとんどなかったといわれています。足を保護するための靴の普及で足の疾患が増えるとは、なにか皮肉な感じがします。小学生を対象にした調査なのですが指上げ足といわれる症状の児童が大変増えているそうです。(図)
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(図1-クリックで見る事ができます。) |
立っている状態で足の指が地面に接していないのです。これはスポーツにおいては致命的です。この症状の児童は大変バランス能力が低いということなのです。いつになってもうまくならないといったことは、指上げ足が原因の一つかもしれません。地下足袋での練習は、経験的に選手の足の不調を感じられた指導者の方が考案された練習方法だと思います。地下足袋を練習に取り入れているチームを拝見するとランニングの時だけ地下足袋を履いて通常練習の時にはスパイクに履き替えています。
「あしぴた」はスパイクのアンダーストッキングの下に装着します。ですからバッティング・ピッチング・ランニングとすべての場面において足の機能を高めるようにサポートします。練習時だけでなく日常生活の中でも装着できますので普通の生活をしているのに足の機能が鍛えられてしまうようなことがおこってしまうのです。小学生の指上げ足が「あしぴた」の装着によって軽減されたという報告が多数あります。まずは、練習時だけでも装着して足の機能アップに励んでください。
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