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走り方が劇的に変わる一本歯下駄の効用・効果
（野球達人トレーニング 奥義）
私達は小さい頃、掃除用のほうきを手のひらの上にのせて遊ぶ事がありました。ほうきを手のひらの上に立てて誰が一番ほうきを立てていられるか競争したものでした。一生懸命腕を揺らしながら脚でも前後左右に動いてバランスをとりました。私達はバランスを取る時は揺れながらバランスを取る事が合理的なことを本能的に知っています。サーカスの綱渡りや一本歯下駄（写真１）
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など不安定な状態になれば全身を揺らしてバランスを取ります。全身が揺れているときに身体に何が起こっているかといいますと、全身の関節が揺れながらずれながらバランスを取ろうとしています。全身の関節を動かす筋肉、神経伝達がフル稼働しています。一本歯下駄は、はいて動くだけでバランス能力が飛躍的に向上します。このような能力は、例えばイチロー選手がタイミングをずらされて身体が泳いでしまった場合でもヒット性の打撃を行う場合などに典型的に発揮されます。先日、一本歯下駄をはいて軽いジョギングではなく昔の飛脚のように走ってみました。するとどうでしょう、腹部深部のインナーマッスル腸腰筋が大変使われているのがわかりました。（図１）
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私の走る姿を見ていた人はすり足のように走っていると言っていました。頭が上下運動しないのです。これは世界陸上銅メダリスト末続選手のすり足走法やナンバ走法、フラット着地といわれる走り方そのものなのです。イチロー選手の走り方もこのような走り方です。陸上界では、腸腰筋は大変注目されています。１００ｍ走の超一流アスリートはこの腸腰筋が使われる感覚を「走っている時、一歩一歩ごとに仙骨が前に押し出されるようだ」（写真２）
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野球で例えれば軽く投げているように見えてもボールに勢いのあるピッチャーの腰の使い方や、運ぶようにホームランを打つバッターの腰の使い方になります。「腰は回す」という感覚ではなく、超一流アスリートの感覚は「腰は前に押し出される」ということになります。剣術などの型の中にも前に押し出される腰に関しての教えが残っています。腸腰筋を使いこなす為には満たさなければならない条件があります。体幹部の関節が緩んで動いているということが重要になります。股関節や肋骨の間、胸骨結合、肋骨と背骨の結合など（図２）
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が充分に動かなければ腸腰筋が働く事はありません。なぜならば、たとえ腸腰筋が働いたとしても体幹部の関節が固まっているとその働きが全身に伝わる事がない。連動して動く事はないのです。これらの関節はインナーマッスルの連動でつながっており、それらの一箇所でも止まっている（ゆるんでいない）と、その働きが動きの中で表れることはありません。一本歯下駄をはいて走るトレーニングは、腸腰筋を働かせるすべての要素が入っています。一つは一本歯という不安定な形状の為、体幹部、全身の関節はゆるんでいる状態になっているということ。もう一つは、一本歯が足の中心の土踏まず周辺の為、必然的に足をフラット着地（その結果すり足）のようになります。（写真３）
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このとき腸腰筋はゴムのように伸ばされます。（写真４）
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そして腸腰筋は伸びた反動を使い強烈に縮み股関節は回旋しながら曲がります。（写真５）
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これが素早く強い蹴りを生み出します。それと同時に前に押し出されるような感覚が生まれるのです。下駄の構造上、地面に接する足はすり足に動きフラット着地して全身がリラックスしているので腕は遠心力に逆らうことなく動くため，ナンバ走法の状態があらわれます。（写真６）
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一本歯下駄は走り方を劇的に変えてしまいます。一本歯下駄は腸腰筋活性化の大変すぐれたトレーニンググッズだったのです。修験道の山岳修行などで一本歯下駄をはいて山道を行くそうです。天狗様も一本歯下駄をはいているように、日本の伝統文化といってもいいかもしれません。腸腰筋が働いていると言う事は全身が連動して動いているということになるので、素晴らしいパフォーマンス、故障しにくい身体を獲得することになります。一本歯下駄をはいて走るだけで大変な効果があらわれるのです。
ご注意：一本歯下駄は意図的に不安定な状態を作り出す事によってトレーニング効果を引き出す鍛錬器具です。ご使用に当たりましては、転倒には充分ご注意下さい。足首にかかる負荷も大きいので決して無理はせず、少しずつ時間を増やすようにしてください。
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