自然身体構造研究所 編

第7号:

古武術「ナンバ」を野球に応用する

ジャイアンツ桑田投手が古武術を使って復活したことや、陸上の末続慎吾選手が「ナンバ走り」を応用したことで、古武術「ナンバ走り」が大変注目されています。「ナンバ」の動きの秘密とは?



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古武術「ナンバ」を野球に応用する

ジャイアンツ桑田投手が古武術を使って復活したことや、陸上の末続慎吾選が「ナンバ走り」を応用したことで、古武術「ナンバ走り」が大変注目されています。 江戸時代や明治時代の古い写真などを見ますとナンバ歩きやナンバ走り的動き方をしていたことがわかります。ナンバは、たとえば右脚が前に出た時に右腕が同時に前に出るような動き方です。反対の左側も右側と交互に繰り返しながら動くのです。(写真1)

写真1 (写真1-クリックで見る事ができます。)

この動きは決して珍しいことではなく相撲のてっぽうやボクシングのジャブ、フェンシングの剣の突きなど西洋東洋を問わずいろいろなところで見られます。中国拳法や空手でも見られ、決して日本の専売特許ではないのです。 プロ野球選手の中でナンバ的動きがうまい投手は、桑田投手をはじめダイエー 斉藤和巳投手・和田投手、近鉄 岩隈久志投手、ジャイアンツ 上原浩治投手など、いわゆる「キレがよい」と言われるピッチャー達です。大リーガーで言えば、ペドロ・マルチネス投手。体幹部が二つに割れたように投げています。ペドロ投手の投球の連続写真を見ましてナンバ的動きに愕然としました。本当にすごいの一言です。リリースの瞬間の体幹部が半分に折りたたまれるように動きます。武術的に言えば「割れている」という動きです。 プロのバッターでいうとイチロー選手を筆頭に中日 福留孝介選手、メッツ 松井稼頭央選手、オリックス 谷佳知選手、ヤクルト 古田敦也選手、ジャイアンツ 高橋由伸選手・小久保裕紀選手など、ナンバ的バッティングが大変にうまい選手です。 実はナンバ的バッティングの練習方法をいち早く提唱した方がいたのです。その方はアテネ五輪監督の長嶋茂雄さんです。 長嶋監督が現役時代に行った有名な「フルチン打法」。「フルチン打法」は長嶋監督が素振りの練習をする時に室内で全裸になってバットスイングをしたそうです。その時に自分のオチンチンが自分の前足の内腿内側に当たるようにスイングをするそうです。この「フルチン打法」そのものがナンババッティングそのものなのです。
ではナンバの動きそのものの原理を説明します。古武術の教えに「胸を割る」「背中を割る」「腰を割る」ということがあります。身体の右半身と左半身を割るようにして動くということです。(写真2)

写真2 (写真2-クリックで見る事ができます。)


身体の中心部分には前側:胸骨と肋骨の結合・恥骨結合、後側:脊椎と肋骨の結合・仙腸関節(図)

図 (図-クリックで見る事ができます。)

など数ミリでしょうが動く骨格があります。この部分(中心軸)を割るようにズラすように動かすのです。(イメージ写真)

イメージ写真 (イメージ写真-クリックで見る事が出来ます)

この動きをバッティングやピッチングの時に応用して使うのです。 身体を割るように使うとバッティングやピッチングでも、トップからインパクト、トップからリリースへの始動する瞬間、一瞬だけナンバ的動きが起きます。(写真3)

写真3 (写真3-クリックで見る事ができます。)

この動きを学ばせようとして長嶋監督は「フルチン打法」を選手に教えました。 ダイエー和田投手は学生時代にフォーム改造に取り組んだそうです。「なるべく腰の回転を小さくする為に軸足側の腰を前足側の腰にぶつけるように投げた」そうです。(写真4)

写真4 (写真4-クリックで見る事ができます。)

これも割る腰の動きナンバそのものの動きです。 結論的に言えば身体が慣性の法則において回転しやすいということになります。独楽は軸で回すと楽に回ります。(写真5)

写真5 (写真5-クリックで見る事ができます。)

ところが独楽のフチで回すとたくさんの力が要ります。(写真6)

写真6 (写真6-クリックで見る事ができます。)

中心の軸で回す方が慣性の法則において回転しやすいということです。ですから、身体におきかえれば身体の中心を割るように使うことで中心に運動エネルギーが生まれ、そのエネルギーを利用して全身を回転させることで大きなエネルギーが生まれているのです。 これを古武術では「胸を割る」「背中を割る」「腰を割る」「ねじらない ひねらない まわさない」「腰で切る」などと表現します。これらの術理を統合する力は重力を利用するということが一番重要なのです。

※ この術理は全身の柔軟性や深層筋の筋力、神経伝達のトレーニングの積み重ねが必要です。身体の構造にのっとった基礎練習が必要なのです。
更に回転効率が高まりますから、それらを制御する能力も磨かなければなりません。



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(例:体の使い方について/トレーニンググッズについて)
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